研究テーマ・グループ Research Themes and Groups

利活用に関する研究グループ「グローバル社会リスク分析チーム」

チームリーダー:阪本 拓人(東京大学大学院総合文化研究科・教授)

研究テーマ:紛争など社会・政治事象に関するグローバルなリアルタイムデータの構築

総合文化研究科
教授
阪本 拓人
紛争・地政学的競合等グローバル社会リスクに関する研究推進、統括
総合文化研究科
教授
キハラハント 愛
グローバルな人権侵害に関する研究推進とデータ収集
生産技術研究所
教授
豊田 正史
兼任
生産技術研究所
助教
梅本 和俊
兼任

グローバル社会リスク分析チームは、国際関係論や国際法、地域研究などを専門とする研究者(多くは東京大学大学院総合文化研究科に所属)から構成されています。このチームの大きな目的は、武力紛争・地政学的緊張・政治体制変動・人権侵害・暴動などグローバルなサプライチェーンを大きく脅かしうる社会・政治事象の把握と予測です。そのため、メディア分析チームをはじめとする他チームとの連携のもと、これらのイベントの種類・規模・発生時間・場所等をリアルタイムで記録・表示するシステムの構築に取り組んでいます。

紛争研究等社会科学領域で広く利用されているイベントデータは、武力紛争など限られた事象を多数の専門家を動員して労働集約的に構築したものが大半です(図を参照)。これに対して我々は、世界中で日々配信されるニュース記事や政府・国際機関・NGOの刊行物など多様なソースから大量のデータを取得し、大規模言語モデルなど先端的な手法を援用して、より広範な社会・政治事象に関する情報を自動的に取得することを目指しています。

チームには定量的・計算科学的手法に通じた国際関係研究者だけではなく、アジア・アフリカ・ラテンアメリカなど世界のさまざまな地域の実情に深く通じた地域研究者も参加しています。こうした研究者が持つ確固たる専門知に依拠しながら、自動取得された情報の妥当性の検証、注目すべき個別事象(サプライチェーンの脆弱化要因となりうる政情不安や紛争など)に対する注意喚起、こうした事象のより深い理解に資するインサイトの提供なども行なっていきます。