研究テーマ・グループ Research Themes and Groups

利活用に関する研究グループ「社会活動データ分析チーム」

チームリーダー:川崎 昭如(東京大学・未来ビジョン研究センター・教授)

研究テーマ:気候変動が社会経済システムに与える影響とそのレジリエンス向上に関する分析

未来ビジョン研究センター
教授
川崎 昭如
各産業間の財・サービスの取引をまとめた産業連関表の分析を中心に研究を行う
生産技術研究所
教授
豊田 正史
兼任
生産技術研究所
助教
梅本 和俊
兼任/貿易統計をはじめとする社会活動データの収集・分析に関する研究を行う

地球温暖化による気温および気象パターンの変化により、熱帯性暴風雨や洪水、旱魃など、長期的な気候変動とそれに伴う気象・水文の極端現象の激甚化・頻発化が世界各地で顕在化しています。これらの現象が世界経済活動に与える影響、そして逆に経済活動が地球環境に与える影響を明らかにすることは喫緊の課題ですが、気候変動予測の不確実性やグローバル・サプライチェーンの巨大化・複雑化といった工学と理学、社会科学が複合的に絡む本問題に対する包括的なアプローチは限られています。

そこで本チームでは、気候変動にレジリエントで社会的に公正な社会経済システムの構築に向けて、経済的合理性、地球環境、社会厚生などの多様な側面からの統合評価を行うための枠組みの構築やグローバルサウス社会における気候適応策を通じた貧困や格差の削減を含めた社会経済システムの転換など、地球規模課題の解決に向けた実践的研究を進めています。具体的には、世帯訪問調査などフィールド調査から得られる住民の行動原理と意思決定に関するミクロスケールでの数値モデルと地域経済システムといったスケールと対象が異なる社会数理モデルを接合し、さらに気候変動に関する工学的、理学的なモデルと経済モデルを統合することで、個人から都市レベルまでを連関する数値計算フレームワークの構築を目指しています。

本チームでは、社会モデリング技術を有する工学系研究者を中心として、気象水文学、経済学、国際協力学、国際政治学など多分野の研究者と連携しながら、学際的に研究開発を進めています。